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【腸内細菌を徹底解剖 第10回】

大腸がん、直腸がん、痔、甲状腺機能低下症......万病の原因になる便秘にならないためのチェックリスト

慢性便秘症はさまざまな病気の原因になる。shutterstock.com

 便秘はまさに、万病へ至る片道切符だ。慢性化すれば、頭痛や吐き気、めまいやのぼせ、不眠などでQOL(生活の質)が著しく低下するだけではない。大腸がん、直腸がんをはじめ、腸の癒着、痔、甲状腺機能低下症など、様々な生命に関る重篤疾患の発症リスクが高まる。

 慢性便秘症は、侮ると恐ろしい疾患だ。便秘を軽視せず、罹らないように予防対策に心がけ、罹ったなら適切に治療しなければいけない。

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 便秘に罹らないためのポイントは以下の通りだ。

ガマンしない
 便意があれば、排便をガマンしない。便が出やすい前かがみの姿勢をとろう。痔の痛みや習慣などから便意を抑えがちな人が多い。ガマンすると排便反射が鈍くなり、直腸に便が溜まっても便意を催さなくなるので、便秘が慢性化する。

1日3回、規則正しい食事をしっかり摂る
 ダイエットや少食化、肉食の偏食などで、食物繊維の便の量が減っている。水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく摂ることが、便秘解消の最善策だ。朝は時間に余裕をもって起き、朝食を必ず摂る。朝食後は、便意がなくてもトイレに行こう。腸内細菌のビフィズス菌が減少すれば、腸内で異常発酵が起きるため、ビフィズス菌の増殖を促進するオリゴ糖などの摂取も効果的だ。

腸回りの筋肉、腸腰筋を鍛える
 腸腰筋は、背骨から骨盤にかけて太ももの骨の内側にある大腰筋と、骨盤から太ももの骨の内側に向かっている腸骨筋からなる深部筋肉(インナーマッスル)。上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉だ。腸腰筋を鍛えると、血流がよくなり、基礎代謝が高まるので、便秘解消に役立つ。

①イスに座ったまま腕を上に持ち上げ、腸腰筋を伸ばす。
②イスに座ったまま歩くように手足を動かして、腸腰筋を縮める。
③イスに腰を下ろし、足を地面につけた状態で腰をひねり、腸腰筋をねじる。これを1日3セット行う。ウォーキング、ジョギング、ラジオ体操などを組み合わせて、適度な運動を続けよう。

水分をしっかりと摂取する

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