市販薬にも重大な副作用が
人生、思い通りに行かないものだが、思い通りに行くように変えるのも人生。立ち位置やものの見方を変えれば、行動が変わる。この情報を知ってそう感じた。どんなデータだろう?
医師を対象に「日本の医療に貢献した薬」の薬効や成分の評価を聞いたインターネット調査がある(日経メディカル Online:2018年6月28日)。対象者は555人(診療所開業医=143人、診療所勤務医=65人、病院開業医=11人、大学病院勤務医=53人、病院勤務医=283人/30代以下=88人、40代=142人、50代=226人、60代以上=95人)。
[an error occurred while processing this directive]調査によれば、疼痛治療への貢献度が最も高い薬品は、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の「ロキソプロフェン(ロキソニン)」。効果が高く即効性がある、短期の効果は最強、胃に優しい、胃腸障害が少ないなど、効能が速く、副作用が少ないと評価している。
ロキソニンは、変形性関節症、慢性関節リウマチ、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、筋肉痛、腰痛、急性上気道炎、歯痛、手術後の鎮痛に適用される。内服剤(錠剤・散剤・液剤)と外用剤(貼付剤・塗布剤)がある(第一三共株式会社:ロキソニン錠60mg・細粒10%/医薬品医療機器総合機構)。
貢献度2位の「アセトアミノフェン(カロナール)」は、解熱鎮痛薬として小児や高齢者にも使いやすい、用量調節がしやすい、大量に使用できる、腎機能が低下した患者にも使用できると評価。3位の「プレガバリン(リリカ)」は、神経痛がよく治る、神経障害性疼痛のファーストチョイスになると評価。
4位の非麻薬性オピオイドのトラマドールとアセトアミノフェンの配合剤「トラムセット」は、NSAIDsでコントロール不良な疼痛に有効、非オピオイド系鎮痛薬で治療困難な非がん性の慢性疼痛に効く、麻薬使用までのワンクッションとして使えると評価している。
医師が高く評価するロキソニンの副作用は?
ロキソニンへの医師の高い評価は傾聴すべきだろうが、副作用はどうなのか?
医療用医薬品の副作用は、「医薬品添付文書」でチェックできる。だが、薬品の発売後に新たに発覚し、「医薬品添付文書」に追加される副作用を、どのようにチェックできるのだろうか?
発売後に薬品を処方した患者に副作用が出れば、薬品を製造した製薬会社や処方した医師は、厚労省のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に副作用の事実を報告しなければならない。PMDAは、医薬品と副作用の因果関係の調査、製薬会社への照会を行った後、厚労省は「医薬品添付文書の改訂」を製薬会社に指示する。
厚労省が「医薬品添付文書の改訂」を製薬会社に指示した医療用医薬品は、同一成分の市販薬(一般用医薬品)も改訂しなければならない。その市販薬は、購入時に同封されている「使用上の注意」の中の「相談すること」という項目に新たな症状が追加される。これが副作用だ。