天然着色料に関する記事まとめ

 植物や動物、鉱石などを原材料として作られた着色料のこと。日本では約100種類の天然色素が利用されているが、量としてはカラメル色素(カラメルⅠ、カラメルⅡ、カラメルⅢ、カラメルⅣ)が最も多い。
 
 天然着色料は、①合成着色料と同じ扱いをするβ−カロチンと水溶性アナトー、②長年使用されてきた添加物としてリスト化された「既存(天然)添加物名簿」に記載されているもの(現実に最も使われているグループ)、③抹茶やイカスミなどもともと食品だが着色目的のものの3つに分けることができる。主なものは以下のとおり。

●アナトー色素(アナトー、カロチノイド、カロチノイド色素、カロテノイド、カロテノイド色素)
 ベニノキ科ベニノキの種子から抽出される。主成分はカロチノイド系で、黄褐色の色素。ハムやソーセージ、チーズなどに使用される。カロテノイドとは、植物の花弁の有色体、エビやカニの殻などに含まれる。天然カロテノイドは約300種類確認されており、黄色、赤色、紫色などを発色する。β−カロテン(ニンジン、オレンジなどに含まれ、動物体内で酵素の働きでビタミンAに変わる)はカロテノイドの1つ。

●カラメルⅠ、カラメルⅡ、カラメルⅢ、カラメルⅣ(カラメル、カラメル色素)
 カラメル色素は製造法によって4種類に分けられ、それぞれ色調や特性に相異があり、使用用途によって使い分けられているがいずれにしても褐色から黒色の水溶性色素である。醤油、ソース、佃煮、コーラ飲料、お菓子などの着色に使用されている。

●ウコン色素
 ショウガ科のウコンの根茎が原材料。主成分はクルクミンで、鮮やかな黄色い色素。カレー粉、漬物、水産練り製品、お菓子などに使用される。

●ベニバナ赤色素(カーサマス赤色素)、ベニバナ黄色素(カーサマス黄色素)(フラボノイド色素、紅花色素)
 キク科ベニバナの花から抽出される。清涼飲料水、菓子や麺類などに使用される。

 天然着色料であれば安全とは限らず、アナトー色素などは7種類あるが、それぞれ許容量が設定されている。また、2004年にはアカネ色素が発がん性により使用禁止となった。そのほかにも、添加物を合成する際、不純物が出ることがあるが、この不純物に危険なものが混じる可能性がある。たとえば、紅麹色素の原料である紅麹カビには、シトリンというカビ毒の問題が指摘されている。アナトー色素は栽培地の汚染のために水銀が含有され、国際規格(JAFCA)がもうけられている。日本ではその規格や基準がないので、規格外品が輸入される恐れがある。


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