あまりに大量すぎる医薬品情報に翻弄される医療従事者と患者さん

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どの医療情報が正しいのか、困惑する医療従事者と患者

 今回は、医薬品情報が多様化且つ複雑化する昨今、その「情報」に翻弄される医療従事者と患者さんについて考えてみたいと思います。

健康フェアにはたくさんの思いを抱え込む患者さんが

●事例1
 多職種が集う仙台市民向け健康フェアに、薬剤師として参加した時のことです。僕は薬剤師会のブースで、健康相談員として、希望する市民に対してお薬のことを中心に何でも話を聞く担当となりました。

 初めに先輩薬剤師に言われたのは、「こういう健康イベントに、統合失調症の方とかがよくいらっしゃいます。こういったブースで何十分もお話をされていきますので、そうなると順番が全て狂います」でした。

 初め、相談にいらっしゃったのは高齢者ばかりでした、世間話に始まり、お薬のことや健康上の不安のことなど色々お話をされていきました。

 すると、20~30代くらいの男性が僕の隣の薬剤師の前に座りました。その後、10分以上は話していたでしょうか。断片的に聞こえてきたのは、「私は、○○の添加物は一切取らないようにしているんです」、「睡眠薬というのは、???」、「私、OTC薬は信用できないんです」といった内容を延々と話されています。対応した薬剤師は笑顔を崩さず、辛抱強く耳を傾けていました。男性は最後に、「お薬とは関係ない話をしてたくさんの時間を取ってしまってすみませんでした。ありがとうございました。」と言って帰って行かれました。

 対応した薬剤師は、「こういう場でしか色々話せないんだろうね。ひたすら耳を傾けるしかないです。」と話していました。
「先輩薬剤師の言ったことは本当だったんだ!」と驚いたと同時に、たくさんの思いを自分の中に抱え込むしかない精神疾患の患者さんに思いを馳せた経験でした。

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