殺人ウイルスの研究を米国立衛生研究所が支援!? 生物兵器が拡散する恐れも

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ワクチンの開発?生物兵器の製造?米国立衛生研究所が「致死性ウイルス」研究の財政支援を解禁の画像1

米国立衛生研究所の財政支援米国で今後は致死性ウイルスの作製が可能に(depositphotos.com)

 2月12日(現地時間)、米国トランプ大統領の長男ジュニア氏が住むニューヨークの自宅に「白い粉」の入った郵便物が届き、それを開封した妻のヴァネッサ夫人ら3人が吐き気を訴え、病院に運ばれた。

 ニューヨーク市警は人体への影響を否定し、「白い粉」の正体も「料理に使うコーンスターチ(トウモロコシから作った澱粉)らしい」と報じられたが――。

 当サイトでは、当初に懸念を抱かれた「炭疽菌」と、昨年末から関連記事が目につく「致死性ウイルス」報と、この「白い粉騒動」の通奏低音に着目してみた。

 話は2014年に遡る――。この年は、疫病対策センター内の手違いで、職員数10名が炭疽菌に曝されるなど、政府の研究施設内で危険な病原体の扱いに関する不祥事が続いた。

 その結果、病原体全般の扱いや保管方法の再考が問われ、それらの研究に米国政府が「待った」をかける年となった。

 次に、昨年末から相次いだ致死性ウイルスの報道を順に紹介すれば、まずはソウルの情報関係筋が北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)に生物兵器の炭疽菌を搭載する実験を開始したと公表。

 米国も同様の情報を入手し、12月18日公表の「国家安全保障戦略」に「北朝鮮は核と生物化学兵器でわが国を脅かしている」との記述が加えられた。

 ただし、北朝鮮による炭疽菌培養の情報は以前から掴んでおり、「在韓米軍兵士を対象とした炭疽菌と天然痘のワクチン接種は、すでに2004年頃から行なわれてきた」との当局者OBの証言もある。

「民生用/軍事用」の技術は常に賛否両論

 先の証言に「天然痘」の名前が出てきたので、2月7日に報じられたカナダ発のウイルス関連記事も紹介したい。

 米国の科学誌に公表された論文によると、カナダ・アルバータ大学の研究チームが、1980年に根絶された天然痘ウイルスに「近いウイルス」を人工的に作成したという。もちろん、研究陣の動機・見解は「ワクチン開発に役立つ」というものだ。

 しかし、こうした「民生用/軍事用」の双方で利用される技術(デュアルユース)は、常に賛否両論だ。今回の発表も「テロリストに生物兵器の作り方を教えるようなもの」と専門筋の批判は少なくない。

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