特集「女性の膣を考える」

「閉経したらオンナでなくなる……」は少数派~世界のセックス事情は「老いてなお盛ん」

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
「閉経したらオンナでなくなる……」は少数派~世界のセックス事情は「老いてなお盛ん」の画像1

アメリカでは老いてからも「性生活」を楽しんでいる(depositphotos.com)

 2007年8月、『The New England Journal of Medicine』に発表された米シカゴ大学の研究結果によると、57歳以上のアメリカの男女は「性生活」を楽しんでいるようだ。「過去1年間に最低1回は性生活を楽しんだことがある」と述べている割合は以下のとおりである。

○57~64歳:73%
○64~75歳:53%
○75~85歳:26%

 生殖器をまったく使わなければ、機能が急速に失われる。しかし、継続して使い続ければ80代になっても十分に機能すると、この調査結果で分析されていた。

 「セックス離れが進んでいる」と指摘されている日本とは大きな違いではないか。日本から遠く離れたイギリスのBBCが、日本の若者のセックス離れをテーマにした「Sexless in Japan」という動画を、2017年7月に公開した。世界的に見て、日本人の<セックス離れ>は珍しい現象なのかもしれない。

 どうして日本ではセックス離れが進むのか? 今回は中高年層に絞って、文化的な側面から考えてみたい。

米国では57~64歳の男女約7割が<現役>

 医師や看護師で構成される日本性科学会が行った「中高年セクシュアリティ調査」によれば、セックスレスが増えていることがわかる。

 この調査は2011年1月から2012年12月にかけて行われ、調査対象は関東在住の40~79歳の男女(平均年齢は男性が59.5歳、女性が57.2歳)。有効回答者数は1162人で、配偶者のいる男性が404人で女性が459人、単身の男性が92人で女性が207人だった。

 配偶者のいる男女の挿入を伴う性交渉の頻度については、「この1年間まったくない」と答えたのは、「男性52%」で「女性54%」だった。2000年調査時の「男性25%」「女性23%」から倍増している。

 アメリカでは「57~64歳の男女の73%」には性交渉があるのに対し、日本はあまりにも割合が低いのではないだろうか。「肥満大国」と呼ばれるアメリカの中高年と比べて、日本人は健康度が高いはず。セックスレスが体の機能面によるものでないとしたら、文化的な要素が関係していると考えられる。

バナー1b.jpeg
HIVも予防できる 知っておくべき性感染症の検査と治療&予防法
世界的に増加する性感染症の実態 後編 あおぞらクリニック新橋院内田千秋院長

前編『コロナだけじゃない。世界中で毎年新たに3億7000万人超の性感染症』

毎年世界中で3億7000万人超の感染者があると言われる性感染症。しかも増加の傾向にある。性感染症専門のクリニックとしてその予防、検査、治療に取り組む内田千秋院長にお話を伺った。

nobiletin_amino_plus_bannar_300.jpg
Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

あおぞらクリニック新橋院院長。1967年、大阪市…

内田千秋

(医)スターセルアライアンス スタークリニック …

竹島昌栄

ジャーナリスト、一般社団法人日本サプリメント協会…

後藤典子