>  >  > 日本人の仕事の49%が「AI」や「ロボット」に奪われる
シリーズ「AIと医療イノベーション」第6回

日本人の仕事の49%が「AI」や「ロボット」に奪われる!アンケートでは28%の人がAIを脅威に

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日本人の仕事の49%が「AI」や「ロボット」に奪われる(shutterstock.com)

 こんなデータがある――。昨年12月2日、野村総合研究所(NRI)未来創発センターは、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士と共同研究を進め、601種類の職業がAIやロボットに代替される確率を試算した。その結果、10~20年後に日本の労働人口の49%は、AIやロボットに代替される可能性が高いと分析している。

 代替される可能性の高い職種は、特別な知識・スキルが求められない機械的な定型的業務、データの分析や秩序的・体系的な操作だけが求められるルーティン業務だ。たとえば、宅配便・郵便・バイク便・新聞配達員、タクシー運転手、警備員、スーパーの店員、レジ係、ホテルの客室係、列車清掃員など。ドローン、自動運転、IoT(Internet of Things)などの技術が進化すればするほど、AIは、これらの業務を肩代わりできるだろう。

 一方、代替される可能性の低い職種は、創造性・協調性が必須の専門業務や非定型な知的業務だ。たとえば、医者、科学者、教授、教師、アーティスト、デザイナ−、ジャーナリスト、経営コンサルタントなど。抽象的な概念を整理・創造する知識・スキルが求められる職業、他者との協調性や他者の理解・説得・ネゴシエーション・心理的サービスが要求される職業はサバイバルできるだろう。

 これらのデータは、あくまでも確率や推定にすぎない。だが、労働人口や生産年齢人口の減少に対応するためには、AIができる仕事はAIに任せ、ヒトにしかできない仕事はヒトが集中して受け持ち、予測可能な未来に備えることが大切になるだろう。

AIにはできない「おもてなし」のマインド・サービス

 しかし、AIでも肩代わりできない、生身の人間ならではのおもてなしゾーンがある。

 たとえば、長野県の中央タクシーのように、ドライバーがメーターを倒さずに高齢者の乗客と世間話をしたり、介護士の資格を取り、安全運転に配慮しているケースがある。乗るのを楽しみにしている市民が多いのも頷ける。このような親身でフランクなタクシーなら、自動運転タクシーが出る幕はない。

 来客の顔や名前をよく覚え、明るい笑顔や元気な挨拶を絶やさず、世間話をしながら、イキイキとレジを打つスーパーのレジ係も、レジ打ちロボットに仕事を奪われる気づかいはない。

 また、東北新幹線の車内清掃業務を請負うJR東日本テクノハートTESSEIの清掃チームなら、「7分間の新幹線劇場」と呼ばれるほど列車清掃を職人域にまで高めているので、掃除ロボットが採用される見込みはない。

 リピーター率の高さが評判となっている旅館の加賀屋(石川県和倉温泉)の場合も同じだ。仲居さんが宿泊客の趣味や嗜好、会話の内容などをよく覚えており、期待以上の個客サービスを提供できるので、接客ロボットに出番は回って来ない。

 「愛はAIを超える」とは言い得て妙だが、おもてなしの心をAIに期待するのは、とてもできない相談なのだ。

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