虫歯の最大の原因は「菌」ではなく「糖質」! 肉中心の「原住民食」であらゆる病気を予防

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虫歯の原因は糖質(shutterstock.com)

 歯医者選びの基準を確実に変えてしまう話題の一冊、長尾周格(稲毛エルム歯科クリニック)・著『歯医者の99%は手抜きをする』(竹書房刊)。前回は、「ダメな歯医者の見抜き方」などについて話を伺った。本書はそれ以外でも、小児歯科、矯正歯科、インプラント治療、審美歯科などの問題点をバッサリと切りまくる。

 なかでも多くの歯医者が実は虫歯の本当の原因を知らないまま治療を続ける現状に触れ、「糖が虫歯の原因である」と明言し、虫歯予防には糖質制限が重要だと主張している点が新鮮だ。糖質制限の大きな流れが歯科領域にも波及しているようだ。

 「虫歯は歯が酸で溶けて失われる病気で、人間が糖を摂取し、誰の口の中にも住んでいる口内常在菌(う蝕原性細菌)が酸を作る環境を生み出すことで起こります。この菌は野生動物の口の中にも住んでいますが、彼らは虫歯になりません。であるならば、菌が問題なのではなくて、食べているもの、特に糖が虫歯の原因だと考えるべきでしょう」

 長尾先生曰く、糖といっても種類があるがブドウ糖などから作られる酸より果糖から作られた酸は歯の表面のエナメル質を溶かしてしまうほど非常に強力。理屈上、果糖をまるで摂取しなければエナメル質を溶かすほど強力な酸が作られることもなく、虫歯にはなりにくいとか。それは歯科医師界の常識ですか?

 「いや、まだ全然、常識にはなっていないと思います。だから僕は、5年前から自著やネットで発信していますが、ずっと『頭のおかしい歯医者』と言われ続けてきました(笑)。一応、参考文献というか、う蝕学(cariology)の教科書として世界で一番普及しているOle Fejerskov・Edwina Kidd編著の『Dental Caries―The Disease and its Clinical Management Second Edition』という成書があって。その中には〈虫歯の原因は糖質だ〉とはっきり書いてあります」

難病歯科医の食事と人生を変えた一冊

 日本の歯科業界の手抜き体質を手厳しく告発している同書だが、最も効果的な虫歯予防法とするのが「糖質制限」の勧めと実践だ。

 「日々の食が引き起こす虫歯にせよ、歯周病にせよ、入り口である口腔内で起こるのは消化器官の病気なので、それを肛門や胃や腸などと切り離して〈口だけ〉というふうに考えること自体に無理があるわけです。では、実際に歯周病の原因を食事に結びつけた研究があるかといえば、僕が知る限りは、たぶんないと思いますね」

 長尾先生には『歯医者が難病になってわかったこと』(三五館)という他著もある。東京の医療法人の分院長時代、大腸菌の粘膜がただれて下痢や出血や腹痛に襲われる「潰瘍性大腸炎」を患った際の体験記だ。そう、安倍晋三総理が悩まされたのと同じ原因不明の病気である。

 「医者からも治療法はない、完治は保証しないと言われつつ、薬でコントロールするしかない日々でした。やはり食生活の乱れが原因だろうかとも思って、母親がくれた当時流行りの自然療法本なんかも読んでは玄米菜食にしてみたりとか。そしたら、どんどん悪くなって本当に死にかけて……。そんな時期にウェストン・A・プライス博士の『食生活と身体の退化―先住民の伝統食と近代食 その身体への驚くべき影響―』(恒志会)という本と出合ったのが大きいですね」

 博士の本では「肉食がいい」と説かれており、長尾先生は「どういうことだよ!?」と半信半疑ながらも丸3年間は口にしていなかった牛肉を、その日から口に入れる生活に変えた。

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