“危ない精神薬”が次々と販売中止! 「飲む拘束衣」の副作用や依存性の高さが問題に

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“危ない精神薬”が次々と販売中止に(shutterstock.com)

 「飲む拘束衣」とも呼ばれる向精神薬の「ベゲタミン」が、今年いっぱいで販売中止となる方向だ。日本精神神経学会はかねてより、製造発売元のシオノギ製薬に販売中止を要請。同社はとうとう、その要請に応じた。

 ベゲタミンは、強力な鎮静催眠作用のある向精神薬だ。「飲む拘束衣」とは穏やかな表現ではないが、患者を「鎮静させる=おとなしくさせる」ことができる強力な薬で、1957年に発売されて以来、興奮や不眠の症状が強い統合失調症患者などに処方されてきた。

 眠らせる力が非常に強いため、「いろいろな薬を試したけれど眠れない」という人の切り札として一定の支持を得た。

 しかし、次第に副作用の強さや依存性が危険視されるようになり、現在はあまり使われてはいない。特に医療機関が薬の管理をしきれない外来患者への処方は、ほぼ行われてはいない。

 依存性が高いということは、その薬を飲まないと不安になったり、ふるえなどの離脱症状が出て落ち着かなくなり、かえって眠りづらくなる、つまり中毒性が生じるということだ。これは麻薬と同じである。

 またベゲタミンは、耐性の強さも問題視されてきた。飲み続けるほど耐性が強まり、摂取量が増えやすい薬なのだ。薬ほしさに、いよいよ医師の処方以上、つまり過量服薬(オーバードーズ)してしまうと、薬物の血中濃度がぐんと上昇する。適切な治療域から中毒域まで入り込んで、重篤な副作用を引き起こす。

 そして最も問題視されてきたのが副作用だ。オーバードーズすると、いっきに意識消失し、呼吸が止まったり、血圧が下がる症状が出る。そのまま死に至る危険性も十分にある。

 精神科領域では、明確な自殺目的ではなくても、「ラクになりたい」とオーバードーズするケースが多々ある。今どきの向精神薬では、そうそう死ねないものだが、ベゲタミンは致死量が低いので、実際に亡くなる人がいるのは関係者の間では周知のことだ。

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