「歩きスマホ」は人生を棒に振る!? 首都圏では電車の遅延の2割超が「スマホ落下」が原因

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ホームでの歩きスマホで接触事故が!(shutterstock.com)

 先日、小田急江ノ島線・鵠沼海岸駅のホームで、高校3年の女生徒が入ってきた電車と接触し、頭を打つ軽傷を負った。女生徒の「歩きスマホ」が直接の原因だが、一部区間の上下線で約40分間に渡って運転を一時見合わせる事態となった。

 命は情報よりも軽いのか!? このての遅延情報を歩きながら確認していた人が今度は他人と接触し、スマホを線路上に落としてしまう。そこから列車の遅れのドミノ現象が……。そんな風刺漫画のネタ的な光景が、現実の世界でも繰り広げられている。

 今月、JR東日本東京支社が公表した資料からも「スマホ落下」の呆れた実態と影響の大きさがよく解かる。今年4月と5月の2カ月間、首都圏のJRで「スマホ(携帯電話を含む)回収」が理由で列車の運行が遅れた例が計54件もあったという。

 調査対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・山梨の1都6県。何らかの落下物が原因の「1分以上の遅延」は4月が計120件(うち「スマホ落下」が23件)、5月が計109件(同31件)。つまり、運行遅延の2割超(23.6%)が「スマホ落下」による大迷惑な案件だったのだ。

スマホの補償契約で賠償金は支払えない

 もしかして、スマホ世代は「気配」の感知能力が劣るのか!? 平成22~26年までの5年間、歩きスマホや自転車操行時の電話使用に係る事故で救急搬送された人数は152人(東京消防署管内)。事故種別の内訳ベスト3は「ぶつかる」が65人、「ころぶ」が43人、「落ちる」が38人、この3種でスマホ関連全体の約96%を占めていた。

 152人を年齢区分別でみると「働き盛り」の40代(立派なオトナ!)が36人と最多。場所別でみると「道路・交通施設」が122人と全体の8割以上を占め、「駅」で発生した38人という数字も妙に目を引く結果だ。

 横断中の路上でも歩きスマホをやめないタイプの人間が、駅構内に差し掛かるとぴたりとやめてカバンにしまうのは想像しがたい。彼らはじぶんの不注意から他人と接触しても、逆ギレよろしく舌打ちするような自己中(心)的人種である。

 歩きスマホが他の通行人の妨げになろうが平然と画面に食い入る彼らが思わず動揺するのは、それこそ「スマホ落下」というアクシデントに見舞われた時くらいではないのか。いや、列車の遅れはいっさい頭に浮かべず、むしろ契約時の補償サービスを思い出しては駅員に「回収」を申し出るだろう。
 
 では、そんな回収に応じて列車が遅れた場合も「賠償」は請求されないのだろうか。踏切内で車をエンストさせた例で約500万円請求されたとか、鉄道自殺の相場は大体いくらで……とか、巷間ささやかれている金額はある。

 だが、総じて鉄道関連の賠償問題は当事者間で隠密裡に取り交わされ、「スマホ落下」をめぐる具体的数字は寡聞にして知らない。

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