「太りぎみの人は、体に必要な栄養素が足りていない場合が多い。そんな人が高タンパクの食事を始めると、まず筋肉や骨量が増えて体重が増える場合があります。しかし、それをすぎると減量に向かいます。また、やせ型の人は、体脂肪が落ちて筋肉がつき、引き締まります」
「肉ばかり食べて胃もたれが心配」「便秘にならないか」という不安には、こう答える。
「肉・卵・チーズは、消化液で消化されるので大丈夫。胃もたれの原因は、糖質と食物繊維。ヒトは食物繊維の消化液を持ちません。一口30回よく噛んで食べれば、胃もたれしないので安心して食べてください」
「主にタンパク質と脂肪である肉・卵・チーズは、胃や腸できれいに消化され、吸収されます。つまり、ほとんど“カス”が出ないので便の量は減ります。一方、穀物や野菜が中心の食事だと、食物繊維はヒトの体では消化できないので、おなかが張って便のカサが増えるだけです」
「早食いは肥満のもと」だ。昔から「食事はよく噛んで」と言いつけられてきたが、「一口30回」というのは意外と難しいものだ。なかなか実践できない場合、どうすればよいのか。
「たとえば、壁にかけたカレンダーを1日から30日まで数えながら食べるという人もいます。また、一口が大きいと噛みにくくて、早く飲み込んでしまいがち。小さく切って食べてみてください。会話しながらでも噛めるくらいが理想。自分にあった工夫を凝らしてみてください」
とはいえ、ご飯が大好き、スナック菓子がやめられないという人は、どうしたらいいのか?
「無理に制限すると、ストレスがたまって長続きしない。先に肉・卵・チーズをよく噛んで食べて、最後にごはんという順番してください。そうすると、自然に少しずつご飯の量が減っていきます」
「スナック菓子がやめられない場合、『アンダカシー』*がオススメ。豚皮をラードで揚げた、沖縄で昔から食べられているおやつです。もちろん、糖質ゼロ。サクサクした食感でおいしく、おつまみにも最適です」
*『アンダカシー 龍華 沖縄伝統の味』
最期に渡辺医師は、ダイエット目的や糖尿病の改善にかぎらず、一般の人にもMEC食を勧める。
「体のどこかに不安を感じている人は、ぜひ一度、試してみてください。改善や効果の出方は人それぞれですが、2~3カ月あせらずに、じっくりと続けたら、必ずいいほうに変わるはずです」
(文=編集部)
『肉食やせ ! ―肉、卵、チーズをたっぷり食べるMEC食レシピ111』(主婦の友社)を昨年12月に発刊。料理が苦手な人や男性でも簡単にできて、とびきり美味しい肉・卵・チーズのメニューを厳選し、111レシピを紹介。作りおきができて、我慢せずに、健康的に美しくやせられる。外食の注意点やQ&Aも充実。厳しい糖質制限に挫折した人も必見!